2015年6月号の「ささき歯科クリニックだより」に掲載されている一部分をご紹介いたします。
今後も発行していきますので、ぜひご覧になってください。
先日、赤外線でがん細胞を狙い撃ちする新しい治療法(光免疫療法)が発表されました。
アメリカ国立保健機構(NIH)の小林久隆先生らの日本人研究者によるものです。
私は大学院で活性化リンパ球の腫瘍免疫に関する基礎的研究をしていました。
当時はヒトのがん細胞だけを認識するたんぱく質(がんのモノクローナル抗体)はまだ見つかっていませんでした。
現在のがん治療は手術と化学療法と放射線療法が主体です。
抗がん剤は極めて有効ですが正常な細胞もダメージを受け副作用があります。
光免疫療法は、がん細胞に結合するたんぱく質(抗体)に光で発熱する物質を混ぜて注射し、外から近赤外線をあててがん細胞だけを選択的に攻撃します。
この研究でがん治療の未来が変わるかもしれません。
最初に舌がんや咽頭がんに応用される予定です。